師走ノ如き儚さよ

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修羅の音色に 誘われて 見えるは龍の 朽ちる羽ばたき いつぞやの始まり 過去と未来が交差する 泣いても泣いても まだ見ぬ道は 螺旋を描いて 木霊して 古の畔に 姿を隠す それは即ち波紋の心得 修羅の音色に 誘われて 見えるは龍の 朽ちる羽ばたき いつぞやの語り神 問いて問われて走り去る 止んでも止んでも まだ降る雨は 虹を喰らって 恋をして 堕落の隅で 夢を見る 此処は自然の理の道 修羅の音色に 惑わされ 見えるは龍の 朽ちる輝き いつぞやの渡り鳥 現世を辿る師走の使い 焦って焦って 翼を手放し 悪鬼の門に たどり着く 光に囲まれ たどり着く 宛無き童話の掠れた真実 蛇に乗っては 一度進み 虎に乗っては 二度進む 壊れた経路をひたすら進む
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