白い蝶

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 僕は、夢を見ていた。白い蝶が、踏みつけられて死んでいく夢を。僕は、その儚くも美しい命が絶えるのを見ていることしか出来なかった。 (あれは、僕だ)  はっきりと、そう確信した。 (駄目……やめて……よして……) (……殺さないで……僕を、殺さないで――) (助け、て……)  頬を涙が伝い落ちた。
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