Mad as Hatterー帽子屋ー

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Mad as Hatterー帽子屋ー

私の親は転々と仕事場を変えられる。 ちなみに私は今、信じられない光景を目にしている。 紅茶を飲んで居る帽子を被った男と、ウサギ耳の生えた男の人。 よく見ると、ネズミの耳が生えた子も居る。 帽子を被っている人は多分"帽子屋"…もとい"マッドハッター(Mad as Hatter)"と呼ばれる人。 その帽子のカードには「10/6」の文字。 その文字は、10シリング6ペンスの意味。 当時のイギリスの通貨で、その帽子の値段だと知ったのは最近だったかしら。 「入っていけない…。」 お茶会が開かれていたその場所は、とても私自身の力では来れそうにもない所だったの。 「悪いですがサンガツ、そこのケーキを取って頂けませんかァ?勿論、人参ケーキ以外のケーキの事を言っているんですがネ~。」 と主催者であろう帽子屋さん。 「自分で取れよな~!偉そうに命令しやがってさ。」 愚痴をこぼしながら従う"サンガツ"と言われていたから、ウサ耳の彼は多分"三月ウサギ"。 「ん~ムニャzZ」 ネズミ耳の子が寝てる…もしかして、このネズミ耳の子は"眠りネズミ"かしら? 白ウサギに連れてこられた訳でないのに、どうして私は此処に居るのかしら?と思ったのは確かで。
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