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「そう。すべてではないが、読める。記憶や家族のことを思いだそうとしていたから、ボクは止めに来た。覚えておいて?君が辛そうだったから、見かねた帽子屋さんが、こちらの世界にアリスを連れてきたのだと言うことを、忘れてはいけないよ?」
私が辛そうだったから?
頼んでもいないのに
「君が悲しめば、この世界に雨が降る。君が楽しめば、この世界は晴れる。この世界の天気は、"君の心"その物なんだよ、アリス。」
私が悲しめば、雨が降るの?
「それじゃあ、雨が降ったことは有るの?私が幼き頃に来てたって?」
そう言えば
「君はさっきからボクに質問責めだね?帽子屋さんに教えて貰わなかったんだ?アリスが幼き頃によく懐いていたのは、帽子屋さんだったよ?」
帽子屋さんはそんな大切なことを、私に言ってくれて無いもの…。
まだ言う時でないと判断したんだわ。
私にはそう感じるもの。
「じゃあ、私は夢魔にも一度、会っているのかしら?」
そう言って返したら、夢魔は薄く笑って
「帽子屋さんが君の寝顔を見ている、ほんの少しの時間だけ…ね。一つ言っておこうか、アリス。君はまだ、こちらの皆からの"お気に入り"だというわけではないんだとね。」
どういう事かしら。
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