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「帽子屋さん、しーちゃんが誰か知ってるの?夢魔が、今の君なら思い出せるって。」
と一気に言ったら、帽子屋さんが目を見開き、こう言ったわ。
「夢魔…彼がそう言ったんですかァ~?しーちゃん、もとい、始季君を知っているも何も、彼とは友達です。但し、アリス繋がりの…ですがネ。彼、夢魔は他にはなんて言ってましたか?」
と問われて、戸惑ったわ。
「…私が幼い頃、来ていたことが有ること。夢魔が心の中を覗けること。帽子屋さんが私を此処に連れて来てくれたこと。私がまだ、この世界のみんなのお気に入りではないこと。この世界の天気は、私の心を映している。くらいかしら。」
と答えたら
「ん~…それだけ夢魔が話しちゃったんだったら、ワタシはそんなに話す必要はないと見て、城のメンバーに挨拶に行きましょうかァ。帰ってきたら、うちの門番を紹介しますから、楽しみにしていてくださいネ、アリス。」
と最初苦笑していた帽子屋さん。
楽しんでいる表情に変わるのを見て、あぁ。私は彼の、この笑顔が好きなのね?と、自分の気持ちに気付かされた気がしたの。
「しーちゃん、元気にしてるかしら?」
と聞くと、帽子屋さんは
「さぁ?アリスが帰ってからは、会ってませんから。」
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