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「えぇ…おやすみなさい、帽子屋さん。」
ガチャッ…
キィ…
扉を開いて中に入ると、其処は私にとって、とても豪華な部屋だったわ。
「掃除の行き届いた綺麗な部屋ね…。」
コツコツと帽子屋さんが寝室に向かう音がする。
「……寝る時くらいは、流石に帽子は脱いでるわよね?」
と一人ごちたら、どうしても気になったわ。
でも、今から彼の部屋に行って帽子を被って寝てるのかを見に行ったら?
完全に夜這いだわ…!
考えていても埒がないし、もう寝ましょう。
「疲れていたのね、私。」
気が付いたら知らない世界で、帽子屋さん主催のお茶会だったもの。
私はもぞもぞとベットへと潜り込み、眠りについたわ。
眠り付く間際に考えたのは、思い出せない記憶や家族のこと。
私は、どうしてこの世界に順応しているのかしら?
不思議だわ。
この世界には、懐かしい感覚がするもの。
「それはそうだよ、アリス。君は幼き頃に一度、この世界に来ているのだからね。」
貴方は誰?
そう心の中で疑問に思うと
「ボクを覚えていない…?しょうがないか…。ボクは夢魔だよ。君が寝たから来たんだよ、アリス。」
疑問に思ったことは
「夢魔は心中を読めるの?」
私が覚えていない?
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