夢 儚き願い

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少女は願う 彼の夢を観たいと しかしいつも願う人は現れない あの人も この人も 代わりに憎むべき人を観る ミタクナイ。 彼に逢いたいと日々願う少女は 悉くその願いを消されてきた みたくないモノ。 みたくない景色。 みたくない自分。 己が願いを叶えられず 嗚呼また観てしまうのかと諦める 瞑った瞼には涙 ミタクナインダ ホントウニ。 例え明日が楽しい日になろうと 前夜に少女は独り泣く 誰にも知られず 悟られず …忘れてしまえばいい 少女はいつも願う アイツではなく 彼を。 逢えない寂しさ 存在しない悲しさ 何故、貴方は現れないのですか? 記憶をたぐり 彼を観る こんなにも綺麗なのに こんなにも毎夜 ××されなければいけないのですか? 過去は変えられない 故に過去を観る。 拒んだところで 虫の息 少女は毎夜 独り泣く。 貴方に逢えたなら 何よりも幸せなのに 少女は今宵も 過去を観る。
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