ダブルアクター ～その愚者は王となり～

２：ポット

「青田君、おはよう。今朝は早いのね」

茜はクラスの連中と同じく、いつもより気分が昂揚しているようだった。

俺と朝から会話できるのが嬉しいのか……そんな訳ないか。

まあ、今日、学校に早く来れたのは確かだ。

昨日一昨日と登校中に痴漢退治で忙しかったしな。

「おはようだっしょ。俺もいつもいつも遅刻はしないっしょ」

「はぁ……やっぱり貴方の『っしょ』を聞かないと一日が始まらないわね」

またそれかよ。こいつはいつも同じ事を言う。