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「よかったよ」
そう言って、頭髪の薄い初老の男性は万札をテーブルの上に置いた。枚数を数えると、10枚。10万円はある。
「やはり金を出すだけあるね。君、うますぎだよ。本当に十代?」
ニヤニヤ笑いながら男性が訊ねてくる。訊ねられているのは───。
「一応、肉体的には十代ですよ」
ニコリと笑う。
笑ったのは、長い黒髪を持ったゴスロリ少女だ。顔立ちがごく稀なほど整っているせいか、全体的に黒なゴスロリ服が彼女によく似合っている。
ベッドの上で体育座りをして、少女は自身の『客』を見た。
「わりとこの『仕事』は長くやっていますから、十代な気はありませんがね」
「ははっ。面白い子だね、君」
男性は笑って、少女に近づく。そしてそのまま、少女を押し倒した。
「面白いが、たまらなく可愛いねぇ。ふふふ」
「・・・お客様。時間、過ぎていますが」
少女は微笑みながらも、男性を諫める。しかし男性は無視して、少女のゴスロリ服のボタンに手をかける。
「お客様。私、着替えたばかりなのですが」
「いいだろっ。金くらい、いくらでも出してやるから」
下着も取り始める。
───やれやれ。
今夜もこれか、と少女は思った。仕方ない、今日の『食事』はこれで我慢しよう。
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