序章

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 男性も着替えたばかりのスーツを脱ぎ、再び少女を求めた。 「いいかい?いいかい?」  はあはあ。男性の息遣いが少女の耳に伝わる。気持ち悪い。少女は男性にバレないように、隠れて怪訝な表情を浮かべた。 「なあ、いいかい?」 「・・・いいですよ。お好きなように」 「やったぁぁぁ」  子供のように男性ははしゃぐ。少女の足を持ち上げた。 「ふふふ。可愛いねぇ、可愛いよ」 「ふふ」  少女は笑ったが、目が笑っていない。男性はそれに気付かず、少女の顔に自分の顔を寄せる。 「・・・ねえ、そういえば」 「なんですか?」 「それ、外さないの?」 「・・・・ああ」  少女の右目には、眼帯が装備されていた。男性はそれをゴスロリ用の飾りだと決め付けていた。 「外しちゃえば?邪魔だよぉぉ」 「すみません。あまり、外したくないのです」 「え~?外してよぉぉ」  男性が眼帯に手をかけようとしたときだ。  ───がしっ。 「?」 「やめて、もらえませんか?」  少女が笑いながら、眼帯に手をかけようとした手を掴んでいた。少女とは思えない握力で。
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