○4 金曜日

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「先生。」 突然後ろから声をかけられ、朝長はびっくりして飛び上がった。 後ろを振り返ると、そこには桜木がいた。 「先生、何してるの?」 「あぁ、丁度帰ってるとこだ。」 「そっか。その絵…見てたの?」 「ん、あぁ…この桜木って…」 「私だよ。小4のときに金賞とったときの。」 「あ、そうなのか。すごいな。うまいじゃないか。」 「本当?ありがとう。」 桜木は照れている様だった。 「じゃ、帰るから。お前もこんな時間に出歩いてないで、早く家帰れよ。」 「うん。」 朝長は桜木と別れ家路を急いだ。 生徒との会話なんて面倒くさいだけだ。 そんなことを考えながら。
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