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朝長は自分が小学生の頃を思い出した。
その頃は『朝長』を『アサナガ』と読まれたときには頑なに返事をしなかった覚えがある。
桜木は1年以上ずっと我慢していたのか。
クラスメイトには無視され、学校側にはずっと名前を間違えられ…。
これではまるで自分の存在を否定されてるようだ。
「閏年に産まれたのか?」
「いや、違いますよ。」
「え、じゃあ何で『閏』なんだ?」
「4年に1度1年が366日の閏年みたいに、他は平凡でも何か1つだけ人より優れてる部分をもって、そこを大事に、自分の特徴にできるようにお父さんがつけてくれたんだって。」
「そうか、いい名前だな。」
「うん、ありがとう。」
「まずい、今から2組で授業だった!それじゃあな!」
朝長は初めて生徒のことに興味をもって会話していたことに、全く気付いていなかった。
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