出会い

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次の日も、その次の日も僕はそのことを気にしていた。「悲しそうに」であれば「不合格」だっただけだろうが、「寂しそうに」が示すものを僕は何も知らない。 「『心ここにあらず』って顔をしているね?例の彼女のことかい?」 僕の中学時代からの友人である柏葉優が訪ねてくる。 「実際に見た訳じゃないから確信は持てないけど、明の言うところの制服の特徴、県内の人間ではなさそうだ。」 優は、長崎県内の全学校の制服を把握している。いや、それどころか九州規模でも八割がた把握している自称「制服マニア」なのだ。 「まぁ、合格していたらきっとわかるさ。」 今度会ったら話かけてみよう……
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