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ピンポン…。
部屋の中にチャイムが鳴る。
ドア越しに、彼の名前が呼ばれているのを私は聞いていたけれど。
出るつもりなんて毛頭ない。
だってここは…
私の唯一の居場所なんだから。
「ここは私の部屋だもの。
あなた逹の部屋じゃないわ。
そうよね。」
リビングに転がった、彼と女の死体を眺めながら。
管理人の手引きで開いていく扉の前で。
血まみれの包丁を片手に、私は入ってきた警察官に向かって。
静かに包丁を降り下ろした。
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