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薄暗い外灯だけが照らす住宅街。
その路地にいるのは見える限りは僕だけ。
やはり…気のせいか。
僕は再び歩き出すと、少し足早に自宅に向かう事にした。
何か妙な空気が路地を包んでいる気がした。
タッタッタッタ…。
コツコツコツコツ…。
歩き始めてすぐ…足音が重なった。
すぐさま振り返った僕は、やはり誰もいない路地に恐怖を感じ始めた。
(なんなんだよ…。)
ハイヒール音は無い。
僕が立ち止まっているからか、ただの空耳かは分からないけれど…とにかく音は消えていた。
確認しようと来た道を引き返そうとした時…。
(あれ?)
足が動かなかった。
押さえつけられてるワケじゃない。
足元にも何もないし、感覚はある。
それなのに動かない。
「なんで…」
ふと、もう一度足元を見た時。
ぞくっ…。
僕は息を飲んだ。
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