祖国への思い

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それもそうだ…。 この地に眠る魂達は、私達の祖先が、強制労働をさせるために、あらゆる手段を使い他国から連れて来たのだ。 本当の所は私にも解らない。 けれど人柱にしたという話しも聞く。 働かすに良いだけ働かせ、使い物にならなくなったらゴミ葛のように捨てた…などと言う話しも聞いた事がある。だとしたら恨まれて当然である。 相手は私達と同じ人間なのだ。言葉や文化の違いこそあれ、同じ感情を持つ人間なのだから。 その後、祟りを恐れた人々が、墓を立て慰霊碑を建てたのだろう。 そして現在心霊スポットとなった。そんな魂達の集合体が、意味も知らず、訳も解らず、フザケ半分でやってくる日本人を快く思うハズが無い。 当然のごとく痛い目を見て当たり前だ。 私達5人は、まず車からおりて中へ入るか相談を始めた。 すると一台の車が近づいて来て、私達の目の前で止まった。スーッと窓が下りるとおじさんがヌッと顔を出し 「ここはお化けが出るんだぞ~早く帰れ~。」 とだけ言うと去って行った。 「………。」 全員鳩豆状態…。誰とも無くプッ!と吹き出し全員で笑った…。 「今のおじさん!ナイスキャラだね~!」「ヒット商品だぁ~!」と大笑いした。 おじさんは親切で言ってくれたのだが、その年頃の私達にはその行動がおかしくてたまらなかったのだ。笑いながらふと遠くに家の明かりがあるのに気がついた。 「こんなトコに家があるんだ。」「ホントだ~怖く無いのかなぁ…?」 辺りにはその家以外見渡す限り畑が続いていた。 中には入れない…と言うより入りたくない…。 「とりあえず写真だけでもとって帰ろう。」と言うことになったが、誰も写真には写りたくないと言ったので、仕方なく私が写真のモデル〈?〉になることにした。 私は入口に立ってピースサインをした。 背後は吸い込まれそうな位真っ暗で冷たい…。 冷たい何かが体に触れて来る。頭上からも重い空気が感じられ今にも押し潰されそうだ。私は心のなかで〈騒がせてごめんなさい…。一枚だけ写真を撮らせて下さい。〉と念じた。するとフッと空気が軽くなった気がした。 そして写真を一枚撮り、帰ろうとすると、囁くような小さな声が林にこだまして来た。 「聞こえる?」私が言うとその場にいた全員がコクりと頷いた。
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