悪魔か天使か

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  少年が帰宅すると母が料理を作っていた。 「おはよう、母さん」 「おかえりなさい、もうすぐ朝御飯出来るからね」   にっこり微笑む母に少年は頷いた。   そこにピンポンと呼び鈴の音がした。   「俺が出るよ」   少年が玄関の扉を開けると、一人の兵士が立っていた。   「城からの使いで参りました、王様からの手紙です」 兵士は手紙を押し付ける様に渡すと、逃げる様に去っていった。   部屋に戻ると少年は手紙を開けた。 『貴殿は不思議な力を持っている、それは我等にとって必要な力ではないなので貴殿はこの国を…』   少年はその手紙を最後まで読まずに捨てた。   この手紙は毎日来ている。 どうやら王様は超能力を持つ少年を嫌っているらしいのだ。   少年はなんとなく知っていたが、無視していた。   手紙の内容は全て同じ、簡単に言うとこの国から出ていけと書いてある。   しかし少年はこの国を愛していた。 だから命令に背いていた。  
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