さみしい背中

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その場を見回しても、やはりあの子どころか、他の仲間さえ見当たらない。 なんだか、さみしくなってきた。 いてぇよーじたーんどこだよー。 視界がぼやけてきた。ああ、涙が溜まってるんだ。 かっこわりぃ、餓鬼って言われてもしょうがないな。 不器用に布を巻き付けた傷口からは、未だに血が溢れ出ていて、無性に怖くなってきた。 本当に死んだらどうしよう。こんな所で、独りで死んでしまったら。 鼓動が早くなる。いやだ、そんなのやだ。 「バッツー!」 あ、ジタンの声。 よかった、来てくれた。 「バッツ…!腕…!」 「やられた、あはは。」 「あははじゃねーよ!どーすんだよ…バッツ、ケアルは!?」 「MP使いきっちまってさー。」
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