さみしい背中

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ジタンの目にも涙溜まってら。 ジタンも餓鬼だなー、あはは。 うーん、取り敢えず血は止まって、ないか。 それでもさっきよりはましだ。 「ええと、他に白魔法使える奴…。」 頭をわしわしと掻いて目を泳がせている。 あーあ、きれーな髪がぐしゃぐしゃだ。 「も、いいからさ。」 「なにがだよっ!ばかっ…ばかやろおぉ…」 溜まりに溜まった涙がぼろ、と零れた。 あ、泣いた。え、俺の所為? 「あーごめんごめん、泣くなって。」 片方の腕でジタンを引き寄せた。 嗚咽が聞こえる。おれ、そんなに酷い事言ったかなあ。 「だいじょぶだって、おれしなない。」 「そんな紫の唇で言われても説得力ねえよ…。」 まじ、紫?きもちわりー。 どーしよーかな、まじ死ぬのかな、おれ。 「…うーん…しんだらごめんな。」 「ごめんじゃねえよ…」 誰かこないかな、しにたくないな。
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