素晴らしくアンティパシー

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しかし、何故か言葉を発せられない。 何が起こった?口内を滑る生暖かい感触に、ああ、口付けられたのだ、と理解。 そして理解すると同時に混乱。何故今?何故俺?何故お前が?何故? 考えていると、いつの間にか口付けは終了していて、唇に湿った感触だけが残る。 「…は?」 疑問を一纏めにした言葉。 発した瞬間クジャは緩く微笑んだ。 忙しい奴だな、と思ったり、だから何で笑うんだよ?とよくわからない恐怖やらが渦巻いたり。 「聞いた事があるんだ、愛情を充分に与えられなかった子は捻くれるって。だから今、僕の有りっ丈の愛を吹き込んだだけさ。少しは素直になったんじゃないのかい?」
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