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高いところは苦手なんだ。
と、バッツの口から発せられた言葉に、一瞬耳を疑った。
だって、このバッツが。
いつも何かに向かって行って、いつも何者からでも自分を守ってくれて、恐い物なしなんだと思っていたあのバッツが。
「…まじで?」
今現在俺達は、次元城にいる。
上からの眺めはなかなかのもの。ただただ透き通るような蒼が続いていて、果ては見えない。
今俺は、そこの端に、足が宙ぶらりんになっている状態で座っている。
足をぶらぶら揺らして、「バッツもこいよ」と呼び掛けたものの、一向にこちらに向かう気配はなく。
そこで発せられたのが先程の言葉。
「…悪いかよ。」
「いや、わるかないけどさ…。闘ってる時は普通じゃん。」
「まあ…それは別だろ。」
何が別なんだよ。
よくよく見ると、足が震えているのがわかり、思わず吹き出しそうになった。
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