あいを感じました

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これは面白い。 ジタンは、得意の悪知恵を働かせて、また何かよからぬ事を思い付いたようだ。 「へえ、こんなにいい眺めなのになー。」 ジタンはその場に立ち上がると、綱渡りの様にして、ぎりぎりの所を歩き始めた。 「ちょ、あぶないあぶない!!おちるって!!」 「大丈夫だって、ほら。」 そう言って爪先で立ってやると、よほど不安なのか、その場で足踏みをしたりして焦りを丸出しにしている。 おもしれーなあ。 そろそろいいかな。 「ぅわっ、と」 ぐらり、とバランスを崩した。ふり。 そのままバッツの真っ青な顔を見届けた後、下へ落ちて行った。 尤もデジョンというものがあるので、危険な事は何一つないのだが。 きっと今頃慌てふためいてるんだろうなあ。あとで助けてくれなかった、って目茶苦茶に責めてやる。
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