ラブラブラブ!(SN)

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「あっ、ねーねーたけるくん!そいえばさー」 なんだよもうゼロはいいのかよ かまってって尻尾ふってんぞ 「…だったんだけど」 「ふーん」 生返事で返せば、優一くんはちょっとだけかまってほしくなったのか 俺の服の裾を少し伸びない程度に引っ張る。 「たけるくんー?聞いてる?」 「うん」 あ、今拗ね始めてんな。 何で分かるかって? だって優一くん単純でアホだし。 「ねぇーたけるくんー」 「なに」 ゼロほったらかしだし。 かまってほしいってひっかいてんぞ。 それにも気づかない優一くんも、俺にかまってほしくて一生懸命だし。 …あーぁ、ざまーみろゼロめ 「たけるくんーねーってば」 「引っ張んないで伸びるから」 あ、ムスッとしてる。 でも言っとくけど、優一くんが悪いんだからね。 俺をこうさせたのも優一くんだし 「…たけるくん、怒ってる?」 やーっと気づいたよこのおバカさん 「さぁ」 「怒ってるでしょ?」 少しだけ不安がってるのは声で分かった。 「誰のせいだろーね」 「俺…?」 「優一くん以外に誰がいるの」 優一くんの体が少し跳ねた。 やっと気づいたのかよ 「たけるくん、ごめん…」 「なんで怒ってんのか分かりもしねぇのに謝んなよ」 ちょっとキツく言ってみた。 ま、優一くんのせいだし 「たけ…く…」 服の裾掴んだまま、強く握る。 泣くの我慢してるのバレバレなんだけど。 教えてやんないけど。 「ごめ、ね…」 はぁ、とため息を小さくはいても ビクッと肩が跳ねる優一くん。 そしたら堪えてた涙もぽろぽろと流して。 …あぁーあ、仕方ない。 今日はこのくらいで折れてやろう。 優一くんの涙は好きだけど、それはヤってる時限定だしさ。 それ以外には弱いのよ、俺だって。 しかも大切な人を泣かしてるんだしさ。
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