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ヘッドホンで音楽を聞きながら俺は浅い眠りについた。
―――――
機内には到着を知らせるアナウンスが流れ、突然音楽を遮られた俺は目を開いた。
欠伸を噛み殺しながら膝かけを畳んで脇に置き、まだ、まどろみの続きを求める頭を起こそうと閉じた瞼の線を人差し指でなぞる様にこすった。
そしてシートベルトを着用する。
寝起きで煙草が吸いたいが、じっと我慢の子である。
空港に降り立った俺を出迎えたのはマイケル・サクライ(櫻井)。
いかにも“外国人”という顔をしながら綺麗な日本語を喋る。
「兄さん!」
そう手を挙げて、綺麗な笑顔を作る彼に周囲を歩いている女性は頬を染めている。
「迎えにきたよ。」
「サンキュー。」
迎えの車の助手席に乗り込み、直ぐさまタバコに火を付けた。大きく深呼吸をして至福の一時を味わう。
「兄さん、タバコ辞めなよ。タバコ吸うのは野蛮人だよ?」
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