Should I marry?

9/17

10707人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
恋をしてあまりにも単純な自分に笑う。一人残された部屋にはキーボードを叩く音だけが響いた。 ―――――― そんな代わり映えのしない日々を送って、ようやく日本へ旅立つ日が来た。 勿論、バーに行けるように数日繰り上げて・・・。そのために毎日残業したとも言える。 「リョウ!」 空港でキャシーが俺の姿を見つけると抱き着いて来た。 「おっと、どうした?」 俺はよろめきながらもキャシーをなんとか受け止めた。 「ヒビキからKey預かったのよ!」 俺は一瞬嫌そうな顔をすると、キャシーは苦笑というか哀れみの様な複雑な目で見ると 「大丈夫!ヒビキには、well・・・栗(クリ)刺した?」 眉間にシワを寄せながら最近覚えたであろう慣用句を披露してくれた。俺はそれにくすっと笑うと釘だろ?と訂正を入れるとYes!クギ!クギ!と大喜びで言った。 「それからこれ、ハルから渡して欲しいって!」 そう茶封筒を俺に笑顔で渡す。だいたい奴から来る書類というのは良い知らせがない。 「飛行機でゆっくり見るよ。」 手提げのバックに伊藤響からの社員証兼カードキーと櫻井春菜からの封筒をバッグに押し込んだ。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10707人が本棚に入れています
本棚に追加