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尻餅をついたまま,
口をぽかんと開けて,
その人に見惚れる私。
男の人にしては
長めの黒髪。
すーっと切れ長の目。
綺麗な瞳…
吸い込まれそう。
埃を払ってた彼が,
こっちを見て手を差し伸べる。
あ…
手,引いてくれるの…?
彼に見惚れたまま,
すっと自分の手を差し出す。
彼は,優しく
手を引いてくれた。
優しく…優しく!?
ぐいっっっ!!!
葵「ぅうわっっ!!」
??「あんたどこ見て歩いてんだよっ!!?
危ねぇだろっ!!」
……へっ!??
や,優しくない…
びっくりして
声も出ない私に,
その人は続ける。
??「ったく…
転校早々制服が汚れたじゃねーか!
おい!
聞いてんのか!?」
葵「ご,ごめんなさ…」
やっと発した言葉は
震えていた。
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