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中学
日光の光が亜理沙の顔を照らし、朝が来た事を知らせる。
また日が登った…。
また学校へ行かなくちゃいけない…。
《…憂鬱》
いつも朝一番に脳裏に浮かぶのはこの4つの言葉。
亜理沙はいつものようにノロノロと制服に着替始めた。
鉄のように重く感じる制服や靴。
鏡に向かっていつものように長い真っ黒な髪を2つに縛り、メガネをかける。
《…冴えない顔してるなぁ~》
亜理沙はハァーッと深い溜息を吐いた。
「行ってきます」
自分にも聞こえるか聞こえないかのような小さな声で言って家を出た。
学校に着いても教室で挨拶を交す人はほとんどいない…。
《教室入るのヤダな》
亜理沙は何分か教室のドアの前に立っていた。
「あ~りさ!おっはよ~」
いきなり後ろから誰かが飛び付いて来た。
その勢いで前のめりになり、転びそうになった。
「裕子ぉ~そんな事したら亜理沙転んじゃうよぉ~」
やはり飛び付いてきたのは裕子だった。
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