こっち向いてよ…

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『ねぇ。涼介? どうして、あなたは、いつもそばにいる私に気づかないの?』 いつものように泣いている。 …でも。今日は違う…。 …なにかが違う… 「涼介!涼介!起きなさい!」 「はぁ。 あの子は、俺を近くで見てる。って… …え。俺を知ってるってことだよな…」 その日、俺は、街で見つけた。 その子は、俺にぶつかってきた。 忙しそうなその子は、あわてて落とした物を拾っていた。 無意識に、俺も一緒に拾ってあげた。 そのままその子は、たくさんの物をカバンにつめて、「すいませんでした」 そう言って、姿を消した。 俺は、自分の荷物をおとしたまま立ち尽くした。 「…今の子…。もしかして…」 俺とその子は、街であっても、見つめ合うことは、出来なかった。 そのときは、まだ気づかなかった。 これからの悪夢を…
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