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ある日。俺は、仕事が終わって、歩いていたときだった。
「すいません…。」
蚊の泣くようなか細い声で、俺に話しかけてきた。
「この間、ぶつかってしまったとき、あなたの物を間違えて持ってきたみたいです。
すいませんでした。
返します。」
それは、俺が、いつか。
本気で。誰かを愛せるようになったら、挙げようって、そう思っていたものだった。
俺は、迷わずに話した。
「…それ。…あげます…。
あと…。いま、時間ありますか?」
迷わず聞いた。
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