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廊下に出ると先生が声を掛けてきた。
「あら、あなたまだいたの?名残惜しいのはわかるけど、もう皆行っちゃったわよ?あなたも元気に卒業なさい。」
そう言いながら優しくユリの肩に手を置こうとしてきた。
ユリはとっさに身を躱すと面食らった様子の先生に繕い笑顔をしながら答えた。
「だ、大丈夫です。すぐに帰ります。先生、お世話になりました。」
そう言って先生から逃げるように駆け出した。
先生の手の温もりが偽りであることを彼女は知っていた。
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