セーブポイント

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 4歳ぐらいのころ、初めてそのオッサンに会った。  オッサンはカラフルな半袖のシャツに丸いサングラス、そしてハゲ上がった頭で摺り足で俺に近づき、話し掛けてきた。  「こんにちはボク。セーブしますか??」  幼かった俺はワケもわからずオッサンの言葉に頷いた。  オッサンはうれしそうに飛び跳ね、それから無表情になり、まばたきもせずに  「カキコミチュウ…カキコミチュウ……」  と言っていたかと思うと突然でかい声で  「セーブが完了しました!!」  と叫び、何処かへ消えていった。
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