序章《逆襲のシャア》

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椅子から身を乗り出すように辺りを見る。 ゆらっと、爆破されたムサカの影から影が見えるとシャアは、辺りに流されていたビームマシンガンを持ち売った。 パァンッと渇いた音がして、それがダミーだとわかると、シャアは再び辺りを見渡した。 「しかし革命のあとでは、気高い革命の心だって官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、インテリはそれを嫌って世間からも政治からも身を退いて世捨て人になる。だったら」 「私は世直しなど考えていない!愚民共にその才能を利用されている者に言えた事か!!」 多重に割り込むアムロの声を遮るようにシャアは機体を揺らした。 「そうかいっ!」 その時、シャアの頭上からνガンダムが現れてビームサーベルを振り下ろす。 「ちぃっ」 シャアは身を引いてヒートトマホークを下から振り上げνを狙う。 シャアの反応にいち早く気付いたアムロは身体を反らしトマホークを避ける。 振り下ろしたビームサーベルがサザビーの左足に刺さる。 サザビーはトマホークを投げ捨ててνの顔面を一発、二発と殴る。 態勢を崩したνガンダムは後ろに流されてビームサーベルを離す。 三発目とう所で、νガンダムはサザビーの拳を掴み空いた手で首の接続パルスを引き抜く。 『大佐、アクシズの爆発が大きく分断された後部が地球の引力に引かれて落ちます。 ですから、お戻りください』 ネオジオン作戦司令官でもあるナナイ・ミゲルが、シャアの帰還を促す。 「男同士の間に入るな、ナナイ!」
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