序章《逆襲のシャア》

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νのアンテナの右部分が落とされる。大きすぎた動作を狙うようにνの拳がサザビーのモノアイに当たる。 コクピットが頭部にあるサザビーの中で大きすぎる揺れにシャアは嘔吐を感じるまで揺れた。 その揺れに緊急脱出が働き円形のコクピットブロックが宇宙に放出される。 「逃がすか!」 アムロはνのトリモチランチャーを放ってコクピットブロックを制止させた。 νの掌に納まる所でシャアの揺れは止まった。 (捕まった?ちぃっ) 『終わりだな、シャア!』 「いや、私の勝ちだな。アクシズの後部は引力に引かれ地球に落ちる! 貴様らのがんばり過ぎだ!」 「なめるなっ!!」 モニタが破壊されたせいで、シャアはアムロが何をしているか視覚ではわからない。 「何をする気だ、アムロ!」 「たかが石ころ一つ、ガンダムで押し出してやる!!」 「無茶はよせ!アクシズの落下は始まっているんだぞ!」 νがアクシズの後部に近づき、シャアの入ったコクピットブロックをたたき付けた。 アムロは、その上から持ち上げるように押す。 スラスターの最大に深すが、当たり前のように地球に引き込まれる小惑星に力負けをする。 それを見た両陣営のMSが、νの元に集まってくる。 そして、各々が必死に押し返そうとする。 「止めてくれ、こんな事に付き合う必要はない!!」 機体がオーバーヒートしている機体でも必死に押し返そうとするが、次第に摩擦の影響で弾き飛ばされる。 その中で早く離れるように指示するアムロの声をただただ聞いてるだけのシャアはコクピットの中でうなだれた。 身体に温かな何かを感じるのは、大気の熱なのか…。 それとも人の温かさなのか。 「完璧な作戦にならんとは…。」 「この中で敵だったものでも必死に落下を防ごうとする。 捨てたもんじゃないよ、人類は」 「だが、この温かさを持った人間が地球すら破壊しようとするんだぞ」 インカム越しに聞こえるシャアの声が雑音が混じり出す。 「わかってる。だから人類に希望の光を見せようってんだろ?」 「そう簡単に光を見出だせるものか!」 「ララァと見た光景を見れば貴様だって…」 「ララァ・スンは私の母になってくれたかもしれん女性だった!それを殺した貴様に言えた事か!」
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