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連合国ミーング、その国にある首都アルエドと隣接している小さな町クインにも戦争の火の手は伸びて来ていた。
にもかかわらず、そこに暮らす17歳の少年‘ランディ・ソレーク’は幼なじみの少女‘アリア・イリシア’と共に丘に来ていた
「――ィ―ラ―ン――……ランディってば、聞いてるの?」
「あー、……たぶんね」
「もう…ランディのバカ」
いつものように丘に寝転がり空を見つめていた自分の頭をぺちぺち叩きながら問い掛けてくるアリアの言葉をどこか上の空で聞いていた彼は心の中で、どうして人は戦争などするのかと思っていた
武器なんか廃棄すればもっと世界は良い方向に進んでいくはずなのに……わからない。人間という生き物はわからない
そんなことを考えていたときどこからともなく帝国軍の母艦の音が聞こえた
ランディはアリアの腕を取り出来るだけ体を低くさせて動かないように目で伝えた。彼女もそれを理解したのか或いは怯えているのか体を伏せて動こうとはしなかった
ランディが頭を低くしたその時、帝国の母艦が遥か上空を首都クインの方へと向かって飛んで行くのが視界の隅に見えた
母艦を見たアリアは恐怖と後悔に満ちた表情で立ち上がった
「バカ、アリア!…今立って見つかったら……早く逃げるぞ!」
「お母さんが…お父さんも……無視して非難なんてできないよ!」
そう叫んで彼女は自分の腕を掴んでいる手を振り払い町へと走りだした。ランディも舌打ちしながら立ち上がり、走るアリアの後を追いかけた。彼に家族がいないわけではないが今はアリアを連れて逃げることが先決だと考えていたのだった
その時、母艦から帝国の人型機動兵器“PART”が次々と降下していくのが見えて彼は下唇を噛み締めた
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