639人が本棚に入れています
本棚に追加
「おーい、こっちに子供がいる。無事だ!」
外に居る人がそう叫ぶと人が集まり、翔希を車から救出した。
「おじさん、お父さんとお母さんが車の中で寝てるんだ。だから起こしてあげて?」
まだ死と言うのが知らない子供が言った言葉が大人には厳しすぎる言葉だった。
「任せなさい。だから君はあの車に乗りなさい?」
救急隊員がそう言った時、翔希の両親が車から出てきた。
「あ、お母さん達出てきた!」
翔希は直ぐに両親の元へ走っていった。
「!?…お父さん?お母さん?」
翔希が見たのは絶望だった。
前には両親が血だらけで倒れている。
腕はちぎれたのか、父親の右腕は無かった。
これが死と言うのがわかった翔希は泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!