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最初に自殺を図ったのは、六年前……。
そう、小学五年生の頃である。
私は数知れず、見たら死ぬという画像を見てきた。
生きるのに疲れた。それ以外の理由は要らなかった。
死のうと思い、試行錯誤した。
信じられないだろうが、五人に送らないと死ぬ、というチェンメールを放置した事もあった。
ところが、である。
私は生きているではないか?
私は自分を激しく罵り、責め苛んだ。
数々の失敗を経た。
やがて私が辿り着いたものは、聞いたら死ぬ曲。
そう、カールマイヤーである。
だが。
運命は甘くなかった。
三十分ほど聞いたが、魂の鼓動は一寸も乱れなかった。
死神は、またしても私の前にひれ伏したのである。
私は泣いた。
泣いて、泣いて、そして藻掻き苦しんだ。
しかし、幸いな事に、私が苦しみの螺旋から抜け出すのはそう遅くなかった。
それはついさっき、コンビニでの事である。
ふと鏡を見ると、なんとありがたい事に観音様が映っているではないか。
しかし、そこにいたのは紛れもなく自分であった。
そこで悟った。
私は今まで死ねなかったのではない。
死んではいけなかったのだ。今だから言おう。
私は神だったのであると。
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