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楽しい…。
ドラムを叩いていてこんなに楽しいのは久しぶりだ。
雫は叩きながら考えていた。
はじめて見た時から彼のドラムは憧れだった。
どんな時でも動揺せずに常にそのオーラを剥き出しにしつつひたすらの彼のドラミングが。
真似しようとして、血が滲むまでスティックを握り叩き続けた。
初心者からスタートしてついにライバルバンドと呼ばれるAshにスカウトされた。
同時に真似ても勝てないことを知り2バスに手を出してそれも極めるまでやった。
今なら…!
俺はドラムを叩く手を止めた。
数秒の間があり、小さなステージ上の会場から拍手を浴びた。
「さすがだな…。」
彼はニッと笑って俺からスティックを受け取ると叩いているときに開いた過去の傷痕から出た血がスティックを濡らしているのを見て少し笑うとさっきまで俺が座っていた場所に座った。
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