麗しき聖戦

4/4
前へ
/294ページ
次へ
彼の演奏がはじまってどれくらいだろうか。 最早勝敗などはついていた。 それでも俺は彼を見つめていた。 正確には目を離すことができなかった。 そのドラミングは雫に何かを語りかけているようだった。 彼の動きが止まった。 「雫!」 「はい…。」 彼に語りかけられて俺は返事をした。 「これで…お前は死ねないよな。」 「はい…死ねないですね。」 彼の言葉に答える自分の目から一筋の光が堕ちるのがわかった。 「ずっと俺を目標にしておけ。 お前がどんなに上手くなっても俺はお前に勝ち続けるからな!」 ねぇ…さん? 見てる? ねぇさんの愛した人はとても暖かくて素敵な人だったよ。
/294ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加