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彼の演奏がはじまってどれくらいだろうか。
最早勝敗などはついていた。
それでも俺は彼を見つめていた。
正確には目を離すことができなかった。
そのドラミングは雫に何かを語りかけているようだった。
彼の動きが止まった。
「雫!」
「はい…。」
彼に語りかけられて俺は返事をした。
「これで…お前は死ねないよな。」
「はい…死ねないですね。」
彼の言葉に答える自分の目から一筋の光が堕ちるのがわかった。
「ずっと俺を目標にしておけ。
お前がどんなに上手くなっても俺はお前に勝ち続けるからな!」
ねぇ…さん?
見てる?
ねぇさんの愛した人はとても暖かくて素敵な人だったよ。
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