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「雫の身体を借りていたとはいえ僕はあなたを殺そうとしました。
今更許しを乞うつもりもないですが…。
すいませんでした。」
「いいんだよ。
もう2週間も前も話だしな。
今日は君に渡したいものがあって。」
俺は1枚のメモに自分の連絡先を書いた。
「これは…?」
「お前のこと…雫に頼まれてな…。
出所したらまずお前に謝りたいって言ってたよ。」
彰良は少し表情を変えた。
「謝りたいって…何を…?」
「寂しい思いさせてごめん。
だとさ。」
その瞬間、彰良の中で何かがきれたように泣き出した。
ずっと流すことのできなかった彰良の涙を俺と百合はずっと見つめていた。
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