抜刀斎

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「仕方あるまいな」 「許してくれ…ッ!死にたくないんだッ!」 夜風に髪がなびく。 「無理だな。俺は貴様に天誅を下す。」 単身痩躯、一見女に見えそうなポニーテールの赤毛の男、彼こそ、この幕末に謳われし最強の無情な人斬り、緋村抜刀斎。 グサッ! 今宵も彼のそばでは血が舞う。 「流石だな」 「…検分役、ご苦労様です。」「ぉい、無表情にも程があるぜ?」 「…そうですか?」 「まぁ人斬りだからかもしれねぇがな」 眉間にしわを寄せ、抜刀斎と呼ばれた男は答える。 「関係ないですから。俺の表情が気に食わないなら、検分役、交代していいですよ」
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