抜刀斎

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「言い訳なんかじゃないッ!」「だからさ、斬り殺された親族の身にもなってよ。人斬りの話なんてしったこっちゃないよ。…そこまで強情ならね、賭けをしようか??」「賭け…?」 「そう…賭け。何でも良いよ。じゃあね、君がほんとうに大切なひとができたら、そのひとを絶対に斬らない。斬らなかったら、俺は君の前に正体を現し、そして二度と君の前に出ないようにする。でももし君が斬ったら…」 「斬ったら…?」 「俺が君を斬り殺す。」 風が騒ぐ…―。 「…わかった…」 風が吹き荒れる…―。 血の匂いが風に混ざる。 「じゃあご武運を。君が大切なひとを斬り殺さないことを祈る。」 月夜に血が舞う…。ほのかにひかるは真紅月。
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