47人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
☆
――武昌、か。
周瑾は馬を駆けさせながらにやり、とわらった。
実は建業に――呉王・孫権に用あった。
周瑜の縁者だといって江東の支配者・孫権に目通りするのはむずかしい。
だけれど、嫡子の義兄弟とすれば少しは違ってくるはずだ。
(父の死の真相を聞きだす絶好の機になった)
孫登をだましているわけじゃない、孫登は好き。
義兄弟になれたのはすごく嬉しい。
――でも、私はすべてを子高に偽っている。
そう思うと心の臓に細い針が刺さる痛みに襲われた。
最初のコメントを投稿しよう!