第一章・義母

20/22
47人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
   ☆  ――武昌、か。  周瑾は馬を駆けさせながらにやり、とわらった。  実は建業に――呉王・孫権に用あった。  周瑜の縁者だといって江東の支配者・孫権に目通りするのはむずかしい。  だけれど、嫡子の義兄弟とすれば少しは違ってくるはずだ。 (父の死の真相を聞きだす絶好の機になった)  孫登をだましているわけじゃない、孫登は好き。  義兄弟になれたのはすごく嬉しい。  ――でも、私はすべてを子高に偽っている。  そう思うと心の臓に細い針が刺さる痛みに襲われた。  
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!