📖甲板にて…

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  間合いを開けて構えをとるキオ。 対し、ヒューイの方は体をキオに向けてはいるが特になんの構えもない。 (あったまくるなあ…) じと眼でキオはヒューイを睨む。 「ねぇ、ちゃんと本気出してくんない?」 「ぇえっ!?」と声を上げたのは周りのギャラリー。 誰も彼も、「それはむしろヒューイのセリフじゃないんかぃ!?」という顔をする。 「本気じゃねぇつもりはねぇよ」 ヒューイが返した言葉に、再び周りから「ぇ゛え゛っ!!?」と声が上がる。 みんな「ならサッサとケリつけろやっ!!!」という顔をした。 構えを解いて、キオは長いため息をつく。 (そりゃ、解ってるけどさ…) ヒューイとは、そろそろ幼なじみと言っていい程の付き合いの長さだ。 ケンカだって何度もした。 しかし、自分が彼を 蹴ったり 殴ったり ど突いたり 投げたり あまつさえ魔法でぶっ飛ばしたりしたとしても、 彼から手を上げられた記憶と云う物はまるで無い。 理由は解る。 自分の方が年下だからだ。
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