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「ようやく出て来れた……さてさてどんな場所かな……っていうかこれ……ちょっとした町じゃん!」
自尊心がボロボロのまま雑木林から出るとそこはぽつぽつと民家があり、アパートがあり、田んぼがあり、店があり、銭湯があり、老若男女の人がいる、小さな町だった。
しょうもないツッコミは疲れている証拠。相変わらず便意は活発だけど。
「(これは外見からじゃ分からないよなぁ……)」
これはこれでちょっとした驚きだった。なんだか興味が湧いてきた。しかし便意は収まりを見せない。
自分の行く場所はどんな所なのだろうか?トイレが綺麗だと嬉しい。和式は足腰にきつい。
微塵もなかった期待が徐々に膨らみ始める事を感じ、その膨らんだ期待を胸に再び目的地へと一歩歩く力が湧いた。
どうかこの歳でコンニチハしませんように。
コンニチハ――特定の場所で行う儀式の事を指す。途中でコンニチハしたり草むらでコンニチハをしたりすると快楽と共にとてつもない羞恥と他人からのあまりにも冷たい視線とコンニチハが出現する。
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