5/25
前へ
/103ページ
次へ
「さぁ!気を取り直して受験勉強受験勉強っと」 料理は「これマジパネェっすよぉ!マジパネェッ!」と変にヒップホップをかじっている不良達(不良に対する妄想。というかフィクションです)なら思わずこういう風な感嘆の言葉を言っていただろう美味しさでした。実際には食事中は無言です。何らかの罰を食らっている気分です。 それでその時間は京都姉とユリアが世間話的な会話をしていたくらいで、何だか料理は豪勢だけども質素な雰囲気だった。 だが、勉強出来る環境ではある事にはちがいない。 携帯は圏外なので友人とのメールが不可能になり使いものにはならない。 漫画は俺としたことが楽観し過ぎていたのか忘れてしまった。 Mな人には堪らない音源が入った、他人には絶対聞かせたくない音楽プレイヤーは親切で気配りの出来る優しい京都姉が俺の為にトイレに流してしまったらしい。神様が居るのなら言ってやりたい。 精霊会議で彼女を死んだ事にしてくださいと。 でも何だかんだ言って言動はアホそうに見える京都姉はここ日本の最高学府出身者。人は見かけによらないものだ。途中で飽きて中退したらしいけど。 ―――――――― 「…………」 やる事がなければ勉強ははかどる一方。テレビジョンとパーソナルコンピュータと携帯電話が俺からどれだけの時間を蝕んでいたのかがよく分かった。 今携帯してる受験生はさっさと勉強に取り組んで欲しいと切に願うばかりであった。 ―――――――― 「?」 勉強も一段落ついてちょっと休憩しようと椅子から立ち上がった時であった。 「変な声がする……」 何事かと思い窓を開けひょっこりと顔を出し外にある庭を覗いてみた。 「せやっ!せやっ!せやっ!」 そこには木刀を持った京都姉と掛け声を上げてそれを京都姉に振るう小町が居て、二人でちょっとしたバトルを行っていた。  
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加