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「よーく聞きなさい。あなた達は明日から人生で最も重要な夏休みに入ります。自分達の未来の為に、そして私の為にひたすら勉強を頑張って下さい」 「…………」 恐ろしい程の静寂。空気を読まないサッカー部のお喋り君でさえ思わず黙り込んでしまう程の空気の淀み。居心地の悪くなった先生から滝のようにダラダラと脂汗が…… 「以上。それじゃー起立」 そう言って挨拶を言い終える前に逃げるように先生は早足で教室から出て行った。その後ろ姿がもう可哀相としか言いようがなかったのは言うまでもない……。 とまぁそんな湿っぽい事は置いておくとして明日からみんなお楽しみの夏休み。 しかし、この夏休み。 俺の人生が大きく変わる夏休みになったのはもちろん言うまでもない……。 「よしっ。クーラーを最大まで涼しくして、毛布で包まって寝るぞー!!」 この時の俺は、まだジワジワと近付く避けられない運命に気付く事は出来なかった。  
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