†雨音さん†

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「連れて来たぜ」 「お疲れ様」 声の主は背もたれを動かし、こちらへと振り向いた。 「いきなり呼び出してすいません、驚きましたよね?」 テーブルに頬杖をつき尋ねる柔らかな声のその人は全校集会で見た事がある。 「いえ…」 部屋の中には、あたしを含め男が3人、女が2人… 皆の視線が痛い… シンとした部屋に彼の声だけが響き張り詰めた空気に緊張してしまう… 「じゃあ、さっそく用件を…園田」 窓際で姿勢を正す彼女に声をかけると手に持っていた薄いファイルに視線を落とした。
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