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病室でタクマは眠っている。ふと目を覚まし、時刻は夜中の2時。
タク「2時…」
少年「おきたか」
タク「ひっ」
少年「怪しいモノじゃねえ」
タク「…今時そんなコスプレみたいな着物来て5階の病室の窓冊子に座っている人と真夜中にあったのは僕くらいだと思いますが」
少年「言うねえ(笑う)」
タク「あんた、死神?」
少年「いいや」
タク「じゃ天使?」
少年「いいや」
タク「案外神様とか」
少年「俺は神は嫌いでね」
タク「じゃ悪魔か」
少年「いいや」
タク「まさか人間?」
少年「…いいや」
タク「ゆーれい」
少年「いいや」
タク「じゃあ何?」
少年「俺は俺さ。じゃあまたな、カザミ・タクマ」
タク「あっ! …あれ? 飛び降りた筈なのに…」
朝が来る。ユウキが乱入。
ユウ「タクマー!」
タク「ウザイ離れろ」
ユウ「昨日発作起こしたっていうから駆けつけたのにい!」
タク「あんなの慣れた」
ユウ「危篤になりかけたとか聞いたぜ」
タク「どんな伝言ゲームだよ」
ユウ「生きててよかったあ~」
タク「頬ずりするなバカたれ」
ユウ「うわーん連れないでやんの!」
タク「お前学校は」
ユウ「愛しのタクマの事が頭から離れず夕べ眠れなくて気がついたらこんな時間―――」
タク「寝坊してサボったんだな」
ユウ「…はい、ゴメンナサイ」
タク「僕はどうせ卒業出来ないんだから、お前が代わりにいけよな」
ユウ「大丈夫! 絶対ドーナツみつかるから!」
タク「…ドナーだ」
ユウ「そうそう、そんなやつ」
タク「多分無理だよ。夕べついに来たんだ」
ユウ「何が」
タク「死の使いみたいなの」
沈黙。
ユウ「え…ええ!?」
タク「もう胸の痛みもなくなるんだってさ」
ユウ「それって…」
タク「間もなく僕は死ぬのかな…」
ユウ「タクマ…」
ユウキ、タクマを抱きしめる。
タク「なんだよ抱きつくな」
ユウ「死なせねえよ」
タク「気持ちだけ受け取っておくから離れろ。で、学校行け」
ユウ「…わかったよ、ゲーセンで社会見学でも―――」
ユウキ、タクマに殴られる。
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