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手術日。タクマは起き上がれない。ユウキが心配そうに付き添っている。
ユウ「今日手術なんだってよ。だから、なあ。頑張れタクマ」
タク「(呼吸も荒く)僕…」
ユウ「なあ、大丈夫だよ。もう直ぐ春だ。俺達高校2年生だぜ」
タク「ユウキ…」
ユウ「タクマ…。た、退院したら、一緒に校長室いこうぜ。もっふもふのソファが気持ちよくってさ。あと放送室でノリノリのロックかけて、図書室のエロ本回し読みして…それから…それから…」
タク「いいよ…。どうせ助からないんだ」
ユウ「ふざけんなよ。俺初めてはお前って決めてんだぜ…」
タクマ、ユウキを叩く。
ユウ「はあ…? なんだよコレ、痛くないぞ。もっとちゃんと叩けよう…タクマ…」
タク「…もう手術だ。帰れよ」
ユウ「タクマ…」
タク「もうここには来るなよ」
ユウ「タクマ…」
ユウキ、去る。
夜が来た。少年はタクマに歩み寄る。
少年「手術は失敗。あまりにも悪化した心臓に医師団は為す術もなく閉胸…。お前は死にたがっていたな。だがまだまだ生きるかもしれねえぜ。最初で最後のダイスをふってみな」
少年が短刀を取り出す音。
少年「その痛み、取り除いてやろう」
少年がタクマを刺す。
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