2562人が本棚に入れています
本棚に追加
「…じの!藤野!おい、藤野っ!」
「あ、はい…」
英語教師の声に、ぼんやりしていた頭が覚醒する。そういえば今は英語の授業だった、と思い教科書とノートに視線を落とした。
「起きてっかー?15行目、読んで訳して」
「すみません。ノートが真っ白です」
「…予習をしていないだけだろう。仕方ない、春賀、訳せ」
スラスラと英語を読み、日本語訳も綺麗にまとめられている。
―流石だな、シュン…
ふう、と似合わない溜息を吐き出し、黒板をうめ尽くしている文字をノートに写し始めた。消された部分はシュンに見せてもらおう、と頭の片隅で思いながら。
最初のコメントを投稿しよう!